Return to site

古舘佑太郎(2) × 石原慎也(Saucy Dog)対談

古舘佑太郎はSaucy Dogの「いつか」を聴いて「とんでもねえバラードを書く人がいるな」と思ったそうだ。
一方の石原慎也も「ケプラー」を聴いて「自分に書けない曲だからこそ、めちゃくちゃ好きになった」と話す。
その後、2人は初めてお酒を飲んだとき「相思相愛だね」と言葉を交わしたそうだ。
出会う前からお互いの才能に惹かれていて、いざ会ってみても意気投合する。
まるで映画『ユー・ガット・メール』のキャスリンとジョーみたいだ。
自分とまったく違うタイプのアーティストであり、まったく違うタイプの人間。
そんな2人が机を挟んでじっくりと話し合う。

「自分が書きたいと思っていたラブソングだ」って

石原慎也(以下、石原):なんか……緊張感ありますね。

 

古舘佑太郎(以下、古舘):じゃあフランクにいきましょう。なんだかんだ、こうやってちゃんと話すのは初めてだよね。

 

石原:今日はお酒を飲んでないし。

 

古舘:確かに!

 

——お二人が知り合ったのは何がきっかけなんですか。

 

古舘:超最近だよね。

 

石原:存在を知ったのは全然前なんですけど。

 

古舘:そうそう。お互いに知ってはいたけど、会ったのは最近。俺は会う前からSaucy Dogの音楽が好きで、周りにも「めっちゃ好きだ」という話をしていたら、実は2のライブ制作をやっている方とか、PAさんがSaucy Dogも担当してたみたいで。共通のスタッフさんを通して、一緒にライブしたい思いを伝えたら4月17日の2マンが実現したんです。

 

石原:2はめちゃめちゃ好きだったから、声をかけてもらえて嬉しかったです。

 

古舘:どのタイミングで知ってくれたの?

 

石原:2を結成してすぐですね。

 

古舘:Saucy(Dog)はどのくらいやってるの?

 

石原:今のメンバーになって4月で4年が経ちます。

 

古舘:そっか。yuccoと同い年だっけ?

 

石原:そうですね。今、25歳です。

 

古舘:じゃあ俺の2個下だから、21歳で組んだんだ。

 

石原:もうちょっと前で、18歳のときに組んでますね。最初は全然違うメンバーと4ピースバンドをやっていて、今のメンバーになってから4年になります。

 

古舘:メンバーとはどうやって出会ったの?

 

石原:元々は同じ専門学校の人たちとバンドを組んで、その後に俺以外のメンバーが脱退して。1人になったときに同じく専門学校だった秋澤(和貴)を誘って。せと(ゆいか)は前からよく対バンをしていた仲だったんです。彼女が組んでいたバンドが解散することになったから、正式に入ってもらうことになって。

 

古舘:そうなんだ。

 

——そもそも古舘さんは、Saucy Dogをどうやって知ったんですか。

 

古舘:最初は「いつか」を聴いて「とんでもねえバラードを書く人がいるな」と。俺は恋愛の曲をストレートに書くことができない人間なんですよ。だから2のファンの人も俺がどんな恋愛をしてるか知らないし、そもそも恋愛のイメージが湧かない人がほとんどだと思う。なんですけど、実はめちゃくちゃラブソングが好きで。

 

石原:そうなんだ!

 

古舘:めちゃくちゃラブソングが好きなんだけど、思ったように書けないっていうのがあって。だからこそ「いつか」を聴いたときは、「自分が書きたいと思っていたラブソングだ」って。

 

石原:俺は真逆ですね。同じことを2に思ってました。俺だったらこういう歌詞も、こういう曲調も作れない。お互いに足りないところに惹かれたのかなって。

 

古舘:そうだね。だから好きになったと思うし、俺が心から対バンしてみたい人って大抵真逆なんだよ。だけど、いざ本人に会ったとき1秒くらいで心を許せた。

 

石原:俺もそうだったんですよ。

 

古舘:しかも、その理由が俺の小学校のめっちゃ仲良い友達に似てたから。

 

石原:アハハハハ! そうだったんだ。

 

古舘:その友達が「バンちゃん」って言うんだけど本当に似てて。会った瞬間に小学校の友達と話しているような感覚で話せた。ミュージシャン同士って最初はお互いに敬遠し合うというか、いきなり仲良くなるケースが俺はなくて。だから慎ちゃんと初めて飲んだときに「相思相愛だね」って、気持ち悪いことを言ってしまって。

 

石原:いやいや、ホンマに相思相愛やなって思うんですよ。最初、ライブの本番前に楽屋へ挨拶しに行ったんです。会う前は「不思議な人だから打ち解けるのは難しいかも」と聞いていたので、どうなんやろうと恐る恐る楽屋を訪ねたら、めちゃめちゃ感じよくて。飲んだときも「ユニゾンするなぁ」と思ったから、本当に俺も数秒で打ち解けて。うん、相思相愛やなって。

 

古舘:そうそう、そんなことをお互いにね。

yuccoちゃんに「ケプラー」めちゃくちゃ好きです!と言って

石原:古舘くんは年上なんですけど、ついタメ口で話しちゃいそうになるんですよね。近しい感じで接してくれるし、俺もそれに対しての親近感も湧くし。

 

古舘:俺はバンドの友達を作るのが苦手で。10代の頃、同じコンテストに出ていた人とは、同窓会みたいな感じで話したりはするけど。基本的には誰かと切磋琢磨してきた経験がなかったから、未だにバンドの人と仲良くなれないことが多い。だから慎ちゃんと仲良くなれたのは、めちゃくちゃレアなケースで。バンちゃんのおかげもあるし、Saucyの曲が好きなのもある。それが仲良くなれた理由なのかな。yuccoとは知り合いなんだっけ?

 

石原:去年、バンドマン同士の忘年会みたいなのがあって。そこでyuccoちゃんに「ケプラー」めちゃくちゃ好きです!と言って、そこから仲良くなりました。

 

古舘:そうなんだ。

 

石原:そうそう、だから嬉しいなぁ。

 

古舘:とにかく「いつか」もそうだし「煙」も大好きで。ラブソングに欠かせない最強の声を持ってると思うんだよ。逆に、俺は声質的にラブソングをこの声で歌って響くのかな?って。

 

石原:いやいや、古舘くんのような声が一番響くでしょ。俺も自分の声がコンプレックスだったので、高校生で初めてバンドを組んだときもボーカルはやらなかったんですよ。このバンドを組んでからボーカルに挑戦して、歌うのも楽しいなと思った。

 

古舘:そうだったんだ。

 

石原:元々、メロコアとかブルーハーツが好きだったんです。だから自分の声でブルーハーツを歌っても全然ピンとこないから、モヤモヤしてて。

 

古舘:憧れていたバンドの曲調と、自分の持っている声質が一致してなくて。それがSaucy Dogで完全に一致したわけだ。

 

石原:そうっすね。曲を作るようになってから自分の居場所を見つけた感じ。

 

古舘:声も魅力的だけど、Saucyからは3ピースである必然性が感じられる。俺はギターが2本ないと不安になるから絶対にやれなくて。3人だけで戦っている人たちは本当にカッコイイと思う。逆に、これでギターが加わったら慎ちゃんの声が違って聴こえるのかなって。

 

石原:ありえないですけど、もしもギターが増えたとして俺は歌で負けたくない。俺の声があって、初めてバンドサウンドが聴こえるくらいの立場でいないといけないなって。

 

古舘:独特の音域じゃん。音の鳴りと声が分離して聴こえるのが良いよね。

 

石原:嬉しいなぁ。2のライブを観ていると、古舘くんは「ヴワァァ!」ってめっちゃ叫ぶじゃないですか。それを聴いてカッコイイなと思ってて。だからすごい憧れるんですよね。

 

古舘:叫ぶのって、本当はやりたくないんだよね。

 

石原:ええ、まじっすか!?

 

古舘:俺が今まで聴いてきた音楽に激しい曲ってなかったの。それはバラードが大好きだから。

 

石原:本当に真逆だ。

 

古舘:そう、真逆。もちろんブルーハーツが好きな時期もあったけど、基本的に激しく「ヴワァァ!」って衝動的にやるよりも「泣ける」とか「しみじみと聴ける」ような、特に夕暮れ時に聴ける音楽が好きで。でも自分の持ち合わせている声が違いすぎて、今の……こんなような仕上がりになっちゃたんだけど。

 

石原:言い方、悪いな!

無意識に曲にしやすい彼女を選んでいるのかもしれない

古舘:今日は歌詞のこともめっちゃ聞きたくて。どこまで真実を入れて、どこまでフィクションなの?

石原:ものによって違うけど「いつか」は99%真実。

古舘:そうなんだ。じゃあ1%だけ想像を混ぜてる?

石原:歌詞の繋がりが悪かったり、自分の気持ちいい語呂じゃないと歌いづらいから。夜を夕方に変えたりはしてます。

古舘:譜割に合うようにってことか。基本的には他の曲も真実が多め?

石原:そうですね。『カントリーロード』に関して70%は本当のことが入ってます。

古舘:7割が真実だとしたら、日々の感情が歌になるわけじゃん。自分の日々の生活が充実しちゃった場合、そのときは充実を歌う?

石原:充実しちゃった場合は……。

古舘:むちゃくちゃ幸せで、好きな子ともラブラブだし、何もかもが幸せな状態になったとして。もしSaucyを好きな人が、充実じゃなくて非充実を求めている場合はどうする?

石原:求められていることを書こうとは思わないから、充実しているときは充実を歌うかもしれない。だけど充実しているだけの幸せな曲は書きたくないので、「こういう不安もある」というのは混ぜたい。絶対に充実の中にも不安はあるんですよ。「今の幸せが崩れたら」って。それは絶対に混ぜますね。

古舘:いつもそこで悩んじゃってさ。もちろん自分も本当のことをメインに何か付け足していくタイプだから、本当じゃないことを書こうと思っても完成しないことが多くて。

石原:そうなんですよね。

古舘:自分の生活が充実しちゃったら、どうしたら良いんだろうと思って。

石原:そういうときがありますか。

古舘:俺は10代が失恋してばっかりだった分、20代になって彼女ができたときはちょっと混乱しちゃって。その充実してる自分にも違和感を抱いたし、どういう風に自分を歌って良いのかわからなくなっちゃったときがあったんだよ。付き合っているときに、歌詞を書くことで彼女が傷ついてしまうと思ったらどうする?

石原:えぇ……良いんじゃないですかね、傷ついても。

古舘:例えば彼女に秘密にしていることを書きたくなったとしたら。

石原:書きましょう。

古舘:書く?

石原:こういう風に言ったら悪く捉えられるんですけど、俺は無意識に曲にしやすい彼女を選んでいるのかもしれない。

古舘:ええ、すげえ。

石原:付き合い始めたら曲が湧いてくる人が多くて。

古舘:曲にしやすいかどうか、無意識にわかるんだね。

石原:そうですね。そういう人に限って音楽があまり好きじゃないとか、俺の仕事に興味がない。

古舘:もしも音楽が好きだったら?

石原:そうじゃなくても……やっぱり書いちゃうな。だって自分はそれを書きたいと思っているんだから、それは形にしないと。

古舘:そっか。あのぅ、こういう話をしていると、あたかも自分に彼女いるみたいな感じになってるけど。今は全然いなくてね。

石原:ぶっ! 今、鼻水でましたよ!

古舘:現状はいないし、まったくできる気配もない。いないときはどうしてる?

石原:彼女がいたときのことを思い出して書きますね。割と後になってから書くことが多いんですよ。「2年前に付き合っていた彼女のことを書こう」とか。それをするからこそ100%じゃなくて、99%になったりするんです。

古舘:ああ、そっか。記憶も変わってきてるっていう。

「ケプラー」は自分のオタク要素と感情のリンクする部分をうまく取り入れられた

石原:俺も聞きたいんですけど、「ケプラー」ってどれくらいが真実なんですか。

 

古舘:俺は宇宙が好きすぎるんだよ。ちゃんとケプラーって星もあるし、あそこに出てくる固有名詞も実在してて。

 

石原:あぁ、そうなんすね!

 

古舘:このメロディーに合わせて詩を考えていたときに「自分は相手のことを好きだ」という感情をそのまま書いても面白くないと思った。じゃあ俺の好きなことはなんだろう、と想像したときに宇宙が浮かんだの。自分にとって相手のことを好きな気持ちと似てるなって。宇宙は大きいことで恋愛は小さいことじゃん。だけど大きいことと小さいことは一緒だなと思って。それを繋げたいと思って書き出したんだよね。例えば巨大なダイヤモンドの星があるのも事実だし、そのニュースを見たときにダイヤモンドがなんで価値があるかって、地球上に少ないからじゃん。

 

石原:<巨大な惑星ルーシー>ですね。(※ルーシーはダイヤモンドでできた惑星の1つ)

 

古舘:そうそう。惑星ルーシーがあることでダイヤモンドの価値が失われちゃうなと思って。せっかく少ないから、みんなダイヤモンドの値段が高騰しているのに、そんないっぱい宇宙の彼方にあるなら意味ないやと思って。その知識がずっと溜まって……。

 

石原:めっちゃ偏屈じゃないですか。

 

古舘:それを曲にしようと「ケプラー」を作った。自分のオタク要素と感情のリンクする部分を取り入れたから、全部真実といえば真実だよね。

 

石原:話を聞くと、歌詞の意味がよりわかりますね。

 

古舘:ちなみに、出だしで<まったく地球と同じの惑星がそう遠くない><宇宙の彼方には7個も見つかったらしいと聞きました>って歌詞にしたんだけど。そしたら、レコーディング直後にもう2個見つかっちゃったの。今は地球と全く同じ条件の星が9個あることがわかってて。

 

石原:地球と同じ星が9個あるってことは、太陽も9個あるってこと?

 

古舘:いやいや、太陽は死ぬほどあるよ! 水金地火木土天冥海という太陽系惑星ってあるじゃん。それが何億個も集まったのが銀河系。その銀河系が数千万個も集まったのが銀河団。その銀河団が数万個も集まったのが超銀河団。俺らは超銀河団の超端っこに暮らしているんだよ。その超銀河団の隣の銀河団まで、今は学者によってわかっている。

 

石原:すげー! じゃあ、もっと地球と同じ星はあるかもしれないってこと?

 

古舘:9個どころじゃないと思うよ。あと今、中目黒のオフィスで俺と慎ちゃんが対談しているのと同じ世界がもう1個あると言われてる。それがパラレルワールドなんだけど。

 

石原:へえー!!

 

古舘:たまに「宇宙人っているんですか?」って言う人がいるけど、他の星から見れば俺らも宇宙人だし。

 

石原:それを聞いている君も宇宙人だよ、と。

 

古舘:そうそう。だから俺がよく言うのは「あなたは誰なの? 俺は宇宙人ですけど」って。

 

石原:アハハハハ! 変り者すぎだろ!

 

古舘:違う、違うんだよ! 

 

石原:(ライターに向かって)この会話を聞いていたら分かると思うんですけど、バンドマン同士の友達って感じじゃないんですよね。

 

古舘:うんうん、バンドマンっぽくないかも。慎ちゃんもそうだもんね。会う前は物静かで繊細な感じかなと思ったら、すごい話しやすくて。こういう宇宙の話も付き合ってくれるし。

 

石原:出会えて本当に良かった。俺は古舘くんから聞く宇宙の話が大好きなんですよ。

 

古舘:もう1つ、慎ちゃんに聞いてほしい話があるんだけど。アポロ計画って、学者とか頭の良い理工学部の人たちが乗り合わせて月へ行ったのね。それで失敗した。なんでかというと、その人たちは学問の考えしか持たない人たちだったから。だけど1人だけ、学者としてはそこまで優れた人じゃないんだけど、書物や小説を好んで読んでいた文学好きな学者がいて。地球に戻ってきたときに周りの人は月を物体や情報として報告したんだけど、その人だけは月の景色を叙情的に語って、それが一番参考になったとされたの。

 

石原:へえ!

 

古舘:本当なら頭の良い理工学部の人たちよりも、文学部の人たちを連れて行くべきだったという話になってて。だからこそ、ZOZOの前澤(友作)さんは「月にアーティストを連れて行きます」と言ったんだよね。もし慎ちゃんが月へ行ってたら、もっと月の景色を伝えられたのかもしれない。

 

石原:すごいなぁ!

 

古舘:こうやって音楽と関係ないようなことが、自分の曲と結びついたときは嬉しいけど、本当はそういうのに頼らず名曲を書いてみたいんだよね。だって心に刺さったときって「すごい」とか「面白い」とかじゃないじゃん。それが俺の場合は曲がって伝えちゃう節があって、だからこそ真実99%のラブソングを聴くと非常に刺さる。あと俺は夕暮れ時に聴きたくなる音楽が大好きで、Saucyの曲はその情景にピッタリ。

 

石原:うんうん。

 

古舘:だから前に組んでいたバンドで作詞作曲していたときも、夕暮れ時に聴いてもらいたいと思って書いてた。慎ちゃんは、どの時間帯が一番好き?

 

石原:俺は朝日が昇りきる前の、空が白んできた時間帯が好きです。

 

古舘:やっぱりそうなんだ。俺は昼から夜に変わる間で、慎ちゃんは夜から朝に変わる間が好き。同じ隙間なのに一番遠いよね。

 

石原:ですね。そう考えると、発信の仕方が違うだけで感性は似てるのかもしれない。

 

古舘:もう1つ聞きたいのは、昔と今で歌い方って変えてたりする?

 

石原:歌い方は全曲変えてますね。

 

古舘:それはあえてやってるんだ?

 

石原:そうですね。ニュアンスや表現の仕方で毎回声は変えてる。阿部真央さんって可愛い声も出せるし、カッコイイ声も出せるじゃないですか。そういう面ですごく尊敬してて、自分もああなりたいなって。

 

古舘:慎ちゃんは繊細な歌い方もするけど、ガッといったときもカッコイイよね。声のバリエーションを持ってて羨ましいと思うんだよ。俺はギャーしか出来ないので。

 

石原:そんなことないですよ! そのギャーの中にも色々あるじゃないですか。最新だと「ルシファー」「4ピース」なんかすごい好きで、初めて聴いたのが『列伝』のときだったんですけど。他の曲もライブでやってます?

 

古舘:いや、まだやってない。

 

石原:聴くのがすごい楽しみ。

共有から生まれた名曲がある、って聞くと自分もそんな恋愛を経験したい

——ちなみに、今日って2人が会って何回目なんですか。

古舘:実は会ってまだ3回目なんだよね?

石原:そうですね。それでこんなに仲良くなれると思わなかった。

古舘:今回の対談とか2マンをきっかけに、もっと飲みにも行こう。

石原:行きたい! じゃあ宇宙のことを勉強しておかないと。

古舘:いやいや、その話をしだすと本当にうるさいからね。永遠に喋っちゃう。

石原:俺はインプットするのが好きなので全然良いんですよ。

古舘:いつも自分の話ばっかりしちゃうから、こういう風に人の話を聞けるようになりたい。っていうか、慎ちゃんの恋愛話とか聞いてみたい。

石原:古舘くんはどうなんですか?

古舘:俺は寝取られ派だからな……。

石原:寝取られ派!?

古舘:自分が浮気するのは全然興味なくて、彼女に浮気してほしい。

石原:そういうのに興味がある?

古舘:興味というか本当に浮気してほしいと思ってた。前に付き合っていた彼女の話なんだけど、男友達が飲み会で酔っぱらって介抱してたらキスされたんだって。その話を申し訳なさそうに俺に言ったの。そしたら俺が「え、え、マジかよ!!(嬉)」って。

石原:めっちゃ喜んでるやん!

古舘:向こうも最初は「普通だったら怒るのに、なんて器の大きい彼氏だ」と思ってたっぽいんだけど、徐々に様子がおかしいぞと。「なんか生き生きしてきてない?」みたいな感じになって。

石原:アハハハハ! 古舘くんが水を得た魚みたいな。「もっとくれ、もっとくれ!」って。

古舘:そうそう。「その話もっと聞かせて!」って感じになったから、「どういうこと!?」みたいな空気になって。最終的には冷静を装って「まあまあ気をつけなよ」と伝えたけど。だけど内心は本気で喜んじゃってた。

石原:やばいやん!

古舘:そんな奴が共感を呼べる曲は書けるわけないよね。慎ちゃんはキレイな恋愛をしてそうじゃん。どんな人がタイプなの?

石原:俺と話せる人。

古舘:話が合うってこと?

石原:そうですね。俺は結構、人のことを知りたくて、そこで学んだ話を自分でもやってみることが多い。その知りたい欲求に応えてくれて、向こうも知りたいと思ってくれて「じゃあ一緒に行ってみようか」みたいなことをしたい。昔の話で、付き合っていた彼女と総合運動公園に行ったんです。俺は山道が好きなんですけど、普通の女の子は虫もいるし歩くのも大変だし嫌じゃないですか。それを一緒に楽しんでくれた人で、それが「いつか」に出てくる彼女です。

古舘:そういう意味の「話せる」人か。

石原:だから「共有」することが一番大事かもしれないです。

古舘:俺は共有が一番ダメで。相手に浮気してほしいって思うのも、自分のいないところで起こる出来事を求めているわけじゃん。あとLINEもまったく出来ない。

石原:彼女にLINEをしないってこと? なんで?

古舘:向こうが何をしてるか知りたくもないし、こっちが何をしているか教える必要性がわからない。もし彼女がいるとして、LINEで「対談中だよ」って、そんな情報いる!?ってなる。

石原:アハハハハ! 「今、何してるの?」って言われたら返すでしょ?

古舘:返さないかも。自分が何をしてるかを誰かと共有するのは耐えられない。

(その話を聞いて、庄司信也は笑っているがSaucy Dog・女性マネージャーと女性カメラマンはやや引く)

石原:人に興味がないんじゃないですか。宇宙とかは興味あるかもしれないけど。

古舘:(興奮したように)宇宙はめっちゃ興味ある!

石原:幽霊とか。

古舘:(さらに興奮して)幽霊もめっちゃ好き! 幽霊を見ようといつも頑張ってる。

石原:頑張ってる?

古舘:部屋を真っ暗にして、ロウソクに火をつけて、YouTubeで「心霊っぽい」動画を観てる。

石原:聞けば聞くほど狂気っすね。

古舘:だけど共有から生まれた名曲がある、って聞くと自分もそんな恋愛を経験してみたい。基本的には今のままじゃなくて、違う自分になりたくて音楽をやってるし。どんどん変わっていきたいと思ってるから、そう考えたら慎ちゃんが言ったような共有の仕方を一回は経験しても良いかなと思う。それで自分がどう思うかなって。

石原:「煙」のときに付き合っていた彼女は、連絡をしないと不安になっちゃう子だったから、そこで学んだのも大きいかも。結構変わった子でしたけど。

古舘:そっか。ある意味、変わった子と付き合うのも良いのかも。

石原:そもそも古舘くん自身が変わってますけどね。

古舘:そんなことない! そんなことないよ!

石原:アハハハハ!

All Posts
×

Almost done…

We just sent you an email. Please click the link in the email to confirm your subscription!

OK